楽曲解説

消滅都市 ORIGINAL SOUNDTRACK 2 加藤浩義 楽曲解説 前半

『消滅都市』のメインコンポーザーである加藤浩義が、「消滅都市 ORIGINAL SOUNDTRACK 2」に収録された楽曲について、制作裏話やこだわりのポイント、制作当時の思い出話などを語ります。

前半は、初のCD化となる「失われし世界」後編のBGMについてです。

楽曲解説 後半はこちら

解説者紹介

加藤 浩義

株式会社ノイジークローク
執行役員 / 作曲家

『消滅都市』や『クラッシュフィーバー』、『DanceDanceRevolution』シリーズ、『龍が如く』シリーズなどで楽曲制作を担当。ダンス、クラブ系やデジタルロックなどアッパーな楽曲を得意とする。

「消滅都市 FUTURE CONCERT supported by Amazon Appstore」をはじめ、 「沖縄ゲームタクト2014」「東京ゲームショウ2015」など、近年ではDJパフォーマンスを披露する機会も増えている。

01Recoil

ゲームに実装されているものは「Eternity」を逆再生にした、ただそれだけなのですが、このサントラ用に新たな展開を加えました。 なのでこのサントラバージョンを更に逆再生していただけると「Eternity」の別バージョンになります。
出来たら是非楽しんでみてください。

02Green Light

最初にお出ししたデモはアタマのリフがすごくショボく、その後まったく方向性の違うバージョンを2つ制作したのですが、結局リフは当初のものに戻って音色はかなり強化して今の形になりました。
ビートやシンセリフは完全にアップリフティングトランスを踏襲してます。
シンセリフは「Our Lost Future」などでも出てくるフレーズで、物語の統一性の為引用をしています。

03Now I feel U (Arrange Version)

元々はイベント用に作った曲でインストものだったのですが、ボーカルを入れて欲しいと後からオーダーをいただき、今の形になりました。
実は後ろに「Eternity」のメロディが鳴っているのがそのときの名残です。
サントラ収録にあたり(今更ですが)メロディがちょっと気になってしまったので変更しました。

04Stay with Me (Arrange Version)

もともとはアッパーな曲だったものをイベント用にアレンジしたもので、バラード感が全開になりました。
こちらも元々「Eternity」のメロディが入ったインスト曲だったのですが、後から「Stay with Me」のボーカルに差し替えをしました。

05Reloaded

音楽的にはゴシック+サイケトランスでこの2つのテイストを混ぜるのに苦労しました。
1枚目のサントラアルバムに収録されている「Flashback」と共通のフレーズが散りばめられていますが、それは何故か、是非ゲームで確かめてみて下さいね。

06Lunar

「リズム楽器を使わないダンスミュージック」というオーダーをいただきまして、非常にすんなり出来た覚えがあります。
2ループ目からゲームに実装されていないリズムパートが足されていますが、Future Concertなどでも掛けていたので耳にされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

07Phases

「オーダー内容無し」ということで川越くんがノイジークローク退職前に最後に作った曲です。
完成した音源ファイルはもらっていたのですが一切聞かずに提出して、ゲーム中で初めて聴きました。
「集大成」と言える至高のピアノメロ、その後のドラマティックな展開と素晴らしい曲を残してくれました。
「自分(加藤)へのオマージュ」らしいのですがズルい曲です。
辿り着くのが大変ですが是非ゲーム中でも聴いていただきたいです。

08Recoil (Strings Version)

「Eternityを逆再生にしたら意外とちゃんと曲になっていた」とのお話をいただき、ストリングアレンジをして終末時計が起動する時のBGMになりました。
この美しいアレンジをしてくれたのはノイジークロークのいとうけいすけ氏です。
この曲も逆再生にしてみると「Eternity」になって面白いと思います。

09Our Lost Future

制作当初はこれまでの流れを汲んだいわゆる4つ打ちダンスビートだったのですが、下田さんより「新しいサウンドを提供したい」とのお言葉をいただき、今の方向性になりました。
ボーカルレコーディングは歌唱のニュアンスを決定するのに苦慮して何回も丸々レコーディングをし直しました。SAK.さんホントにごめんなさい。
2:56~の展開は(オーダー通り)ホントにメチャクチャです。

10世界の終わりと最後の言葉 (Strings Version)

またまた弊社いとうけいすけ氏が本当に美しいストリングアレンジをしてくれました。
特にサビの高揚感が素晴らしいです。
完全にお任せ、修正も無かったように記憶しています。
このバージョンをベースにしたフルオーケストラバージョンもコンサートなどで演奏され、素晴らしいものになりました。