"V!勇者のくせになまいきだR™ 新世界カンタービレ 楽曲解説前半

『V!勇者のくせになまいきだR』の楽曲に、どんな思いが込められているのか。
作曲の坂本英城が、こだわりのポイントや思い出話を交えながら、1曲ずつ紐解いていきます。

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坂本 英城

株式会社ノイジークローク
代表取締役 / 作曲家

多彩な表現で魅力ある音楽を提供し、その担当作品は200タイトルを超える。代表作に『勇者のくせになまいきだ:3D』『文豪とアルケミスト』『無限回廊』シリーズ『討鬼伝』シリーズなど。

01.V!ビデオトープR

短いけれど、ゲームを始めて最初に聞く曲になるので、ワクワクを感じさせつつ雑多な感じも出したくて、不思議な和音の流れにしてみました。うまく言えないけどぴょんぴょん跳ねてる感じ。

02.魔界より魔ごころをこめて

メインテーマ曲ですねぇ…。勇なまシリーズのメインテーマを本作から新調しようということになって着手したものの、いやぁ難しい。なにせ主人公が魔王ですから。メインテーマだからといって達成感がありすぎてもいけないし、メインテーマであるがゆえに邪悪さが滲み出すぎてもいけない。70kmくらいの山なりスローボールをストライクゾーンのど真ん中に放る気持ちで作りました。

03.魔王のへやで悪巧み

なんというか…普段あまり悪巧みをしない生活を送っておりまして。悪巧みがどういうことかわからないんですよ。しかも魔王のへや、で。いま気付いたけど魔王が悪巧みって当たり前だよね、だって魔王だし。つまり何が言いたいのかというと、心の綺麗な僕が、悪巧みを当たり前のようにする人のことを想像して作った曲。

04.あんこくの塔は天高く

上に伸びる感じ。出てますかねぇ〜。音を下から上にぎゅいんぎゅいん〜としてみました。

05.ここから始まるんだね

街をイメージして作曲しました。なかなかVなまでこうしたポップな曲って作る機会がなかったので新鮮でしたね。うまく言えないけど、昼間は寝ているおもちゃたちが、子供たちが寝静まった夜になると動き出すようなイメージなんです。

06.そっと悪夢にこんにちは

怪しいですねぇ、メロディが。こういう作曲が許されるのも勇なまならではで、なんともありがたい。どこか調子の狂った、ちょっとお酒の入ったサーカス団、みたいな雰囲気で作りました。

07.闇と大地がふれあう彼方

なんといっても木管楽器が主役の曲。あれ、これ良い曲だなぁ…。作曲家本人も個人的に好きな曲のひとつ。

08.夜をのっとって期待をこめて

マーチングの雰囲気で作り始めました。途中から変な感じになりますけども、ええ。マーチングなのにまったく足並みが揃っていない感じですよねぇ。でもそれでいいんです。勇なまですから。

09.さよならの向う側から

この世界から戦いというものはなくならないのだろうか。だけど戦いがなくならないかぎり、戦いの曲の発注が来るので、そこには感謝してる。

10.崩れゆくひとかけらの夢

前半と後半でまったく別の曲、なんですよね。そうなんです、最初は一大事です。なにかヤバい感じが出ているでしょう?後半になると前半の嫌なことはすっかり忘れて、その目はもう前だけを見据えている。ギャンブラーにこういう人、多いですよね。

11.せつないキモチはとっても不安定

あと一歩早ければ電車に間に合ったのに、とか、雨の日に限って折りたたみ傘がカバンに入ってなかったとか、苦手な上司とエレベーターが一緒になっちゃったとか、表現したかったことはそのくらいの残念さなんです。

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